Amazon物販ビジネスは、クレジットカードを使えば現金がなくても始められると、聞いていませんか?
結論から言いますと、クレジットカードだけで商品を仕入れていくのは、なかなか危険です。
その理由は、支払いが滞ってビジネスが続けられなくなる恐れがあるからです。
これは筆者の体験談です。_
今回の記事では、実際にAmazon物販を半年間ほど続けてきて、さまざまな問題に遭遇し対処してきた経験をもとに書いています。
なぜクレジットカードの仕入れは想像以上に危険?
物販ビジネスにおいて、デメリットとしてよく挙げられるのが在庫リスクです。
確かに在庫リスクはつきものですが、在庫になってしまうのは仕入れている商品が間違いだったか、あるいは価格を調整していないというパターンになります。
つまり、売れる商品を仕入れていれば在庫にはほとんどなりません。
実際にオレが経験した、クレジットカード仕入れの危険性は、商品の在庫リスクとは関係ない部分でした。
Amazonのシステムによる特性から、クレジットカードだけで資金力を超えて販売するのは、無理がありますね。
Amazon販売・クレジットカードで資金繰りが悪化する原因は?
では、クレジットカードの仕入れに頼ると資金繰りが悪化してしまう原因について説明します。
大前提としては、現金だけで仕入れたとしても問題が発生することはあります。
ただ、クレジットカードだけで仕入れている場合に、特に問題が起きやすいので強調して書いています。
ポイントは以下にまとめました。
- 競争激化
- 支払いサイクル
- Amazon返品システム
- メーカー警告
- 保留テロ攻撃
競合セラーが増えすぎて供給過多になる
まず1つ目の問題は、自分が出品した商品に競合セラーが群がることです。
Amazon販売をやってみると分かりますが、自分が仕入れたタイミングでは出品者が少なくても、出品したタイミングで競合セラーが激増することがあります。
こうなると、大変に厄介です。
なぜなら、かなり売れてる商品でも自分になかなかカートが回ってこないからです。
すごく利益も取れるし、良い商品を仕入れたと思っても、クレジットカードで仕入れてしまっては資金回収のタイミングが刻々と迫ってきます。
特にAmazon物販で初心者の場合だと、アカウントが弱く、びっくりするぐらいカートが自分に回ってきません。
いわゆる「新規出品者」の状態です。
オレも経験したから分かりますが、びっくりするぐらいカートが回ってこなくて調べてみたら、カート獲得率0%だったことが普通にあります。
そのままだと、売れることはほぼ100%ないので、じゃあどうするか?
価格を下げるしかないです。
価格を追従してくるライバル減ってくるか?もしくはライバルが0になるまで、価格を下げるしかないです。
なぜ、そうしないといけないのか?
赤字でもいいからとにかく商品を売らないと支払いができなくなるからです。
特に、転売せどりなんかに取り組んでいると、競合セラーの増加は日常茶飯事です。
これは避けることができません。
なので、クレジットカードの枠限界まで商品を仕入れていたりすると、競合セラーの爆増で売れない商品が出てくると支払えなくなります。
Amazon物販は、確かに現金がなくても始められますが、赤字商品および、売れるまで時間がかかる商品が出てくることを想定して仕入れないとダメです。
Amazon資金回収までのサイクルが意外と長い件について
この件についても、Amazon販売をやってみないと実感として分かりにくいと思います。
また、前提としてAmazon倉庫に商品を送るFBAを利用した場合を想定しています。
正直、これからAmazon販売を個人で始めるにあたって、FBAを利用しないで売るのはかなり難しいと思われます。
オレは最初からFBAを利用しているのですが、それでも売るのはそんなに簡単じゃないので。
FBAで販売する場合、商品を仕入れてから倉庫に送るまでの時間が発生します。
仕入れた商品をAmazonの倉庫に直接発送できるのであれば、かなり良いのですが、なかなかそうもいかない場合が多いでしょう。
オレのように、北海道とかに住んでると仕入れた商品が自宅に届くまでに、1週間以上かかることもザラです。
自宅に届いてから、Amazonの倉庫に送ることをしていると、仕入れてから実際に販売開始になるまで10日以上かかることも多いです。
クレジットカードで仕入れた場合、刻一刻と支払いのタイミングが迫っていることに気づきますよね?
そして、商品が出品してすぐに売れれば問題ないのですが、売れない場合は危なくなってきます。
Amazonで商品が売れてから、実際に全額振り込まれるまで14日間サイクルということになっています。
”ということになっている”と書いたのは、システムが複雑で完全にそうとも言い切れないからです。
Amazonには”引当金”という、Amazonが資金を一時的に預かるシステムがあります。
アカウントを作ったばかりだと、50%がすぐには支払われず、留保されるという声が多いですね。
引当金に関しては、過去にサポートセンターにも問い合わせましたが、複雑で明確な回答は得られませんでした。
アカウント毎に、引当金の割合は変わるようです。
販売実績を積めば、徐々に引当金が少なくなるようなので、長い目で見て実績を積むしかないですね。
Amazon販売をやっていないと、何の話なのか全く分からないと思いますが、商品を仕入れて販売までがスムーズにいったとしても、全額資金回収まで約1ヶ月かかると覚えておきましょう。
あくまでも、スムーズに売れた場合です。
なかなか売れない商品の場合、価格を下げたりする必要もあるので、当然利益が削られます。
場合によっては、赤字になるでしょう。
クレジットカードで仕入れて販売するのは確かに可能ですが、資金回収までそんなに余裕がないことは、知っておかないとヤバいです。
Amazonのシステムに泣かされることがある
クレジットカードで仕入れると、いかなる理由があってもお金を支払わないとダメですよね?
当たり前のことですが、Amazonで販売をすると様々な予期せぬ出来事に巻き込まれて支払いがピンチになります。
過去にオレが苦しめられた、支払いがヤバくなったポイントは以下のものです。
- 法人の請求書払い
- 顧客からの返品
- メーカーからの警告
法人の請求書払いは入金タイミングが1ヶ月遅れる可能性あり
Amazonには法人の請求書払いというシステムがあります。
このシステムが出品者にとっては、とても厄介です。
通常であれば、商品が届いてから入金のサイクルが始まります。
ですが、請求書払いの場合は1ヶ月は後ろにズレてきます。
請求書の締め日は、法人によって変わってくるようですが、オレの場合は月末が締め日の法人でした。
そんでもって、支払いが翌月末でした。
ちょっと分かりにくいので、具体的な体験としてはこんな感じでした。
11月上旬に商品が売れる
↓
11月末に締め日
↓
12月下旬に支払い実行
↓
翌年1月上旬に入金
とまぁ、実際に入金されるまで2ヶ月かかりました。
しかも、この時に仕入れた商品が高額だったので、支払いはマジでピンチでしたわ。
ちなみに、請求書払いを受け付けなという設定があったので、今後は請求書払いはないはずです。
しかし、Amazonのシステム変更があれば、請求書払いを避けられない可能性はあります。
Amazonはいかなる理由でも返品を受け付ける
続いてAmazonのシステムに泣かされたのは、返品によるもの。
Amazonは顧客をどこよりも大事にするということで、いかなる理由でも基本的に返品を受け付けています。
このシステムが本当に困るんです。
商品が未開封で返品されてるなら、まだいいです。
戻ってきても、販売すればすぐに資金回収できる可能性はあります。
最悪なのは、使用後の返品です。
この場合、Amazonで新品販売はできなくなります。
多くのセラーは、商品を自宅に返送してもらいメルカリなどで再販する形になるでしょう。
そして商品の返送が、めちゃくちゃ時間がかかります。
正確に計測はしてませんが、10日ぐらいは返送されるまでに、時間がかかると感じています。
このタイムラグも恐ろしいですが、それより厄介なのはメルカリなどで中古販売になることです。
ご存知の方も多いとは思いますが、メルカリなどは個人のフリーマーケットですから、価格が激安です。
ほとんど新品同様の商品でも、メルカリならAmazonの半額くらいで買える場合も珍しくありません。
こうなってくると、仕入れ金額よりも安くなることが普通に起こってきますし、Amazonで売れる商品がメルカリで売れるとは限らないのが怖いです。
オレは運良く、今まで返品商品をメルカリで捌いてきましたけど、商品によっては売れないものが出てくるのではないかと思います。
あるいは、バカみたいに価格を下げて売るしかないという形になってくるでしょう。
なので、高額商品が返品されてしまった場合などは、支払いが危なくなる可能性は充分にあり得ます。
メーカーから警告を受けると出品を取消せざるを得ない
この件については、転売せどりをしている出品者なら、ダメージを受けたことがあると思います。
転売は法律の上では全く問題はないです。
安く仕入れて高く売るという行為は、メーカーから仕入れて商品を売るのと何ら変わりはありません。
ですが、メーカーによっては正規の販売店以外は保証をしないですとか、取り締まる会社が数多くあります。
商標権の侵害ということで出品を取り下げなければならないケースも普通に発生します。
この件に関しては、出品を取り下げればアカウントに傷がつくこともなく終わるケースがほとんどです。
ですが、支払いに関してはどうでしょうか?
待ってはくれないです。
メーカーから警告を受けて、取り下げた場合商品はどうなるのか?
古物商の許可を受けていれば、そのままAmazonで「ほぼ新品」という状態で売ることも可能です。
ですが、新品では販売できなくなります。
そうなると、先ほどの返品された場合の対応と同じで、メルカリなどのフリーマーケットで売る必要性が出てきます。
新品未開封だったとしても、高く売るのが難しくなったりします。
なので、メーカー取締りが厳しい商品を取り扱ってしまうと、支払いがキツくなってしまうケースが発生します。
個人的には、真っ当なビジネスがしたいもんです。
メーカーから警告されるとか、ハラハラしますし、後ろめたい行為じゃないですか?
転売せどりはメーカー取締りの煽りを受けるので、あまりオススメしたくはないですね。
悪質な販売者による保留テロ攻撃にご用心
さて、最後に資金繰り悪化するポイントとして、保留テロ攻撃というものがあります。
詳しい説明は、この記事では解説しませんが、要は”競合セラーによる嫌がらせ”です。
個人的にも、保留テロには何度か遭遇しました。
転売せどりで仕入れた商品で、何度かイヤな目に遭いました。
保留テロ攻撃の手口としては、「商品を購入して代金を支払わない」というものです。
なぜそんなことをするのか?
その理由は、カート獲得合戦で自分が勝ち抜くためです。
例えば、出品しているセラーが自分を含めて3人いるとします。
ライバルセラーの在庫は、それぞれ1個ずつ。
もし、そのライバルの在庫をこちらが購入してしまえば、どうなるでしょうか?
ライバルは0となり、強制的に自分にカートが回ってきます。
そんでもって、保留テロ攻撃を受けた場合はしばらくの間、商品は発送されません。
嫌がらせを受けているので、当然です。
その間に商品が売れる可能性は0%です。
そんな不届き者がいるのか?と思いますが、普通にいます。
昔からこのシステムを悪用した輩がいるようですが、Amazonでも効果的な対策はできていないようです。
とにかく、是が非でも急いで売り抜きたい!!
そういう商品を自分が扱っていたら、要注意です。
保留テロ攻撃にあうリスクが高まります。
もし、リスクの高そうな商品を、在庫を抱えて販売する場合は、購入数量を限定しましょう。
1度につき1個までしか、買えないような設定にすれば、保留テロも少しはやりにくくなるでしょう。
また高額商品なども、急いで資金を回収したいでしょうから保留テロの危険性は上がるでしょう。
クレジットカード仕入れの有効な使い方は?
ここまで散々クレジットカードのリスクについて書いてきました。
じゃあクレジットカードは使わない方がいいのか?というと、そんなことはないと考えています。
中には飛ぶように売れる商品で、資金回収が速い商品もありますしね。
ほぼ確実に利益が出て、売れる商品なら支払いに遅れる可能性が低いので、積極的にクレジットカードで仕入れても大丈夫かと思います。
ただし、初回の仕入れには注意が必要ですね。
ほぼ確実に売れる商品かどうかは、一度販売してみないと分からないです。
実際に販売してみて、売れると分かれば次回は多めに仕入れるなどの方法で、利益を伸ばすことも可能ですね。
それでも、何が起きるかは分からないので、クレジットカードの締め日を常に意識して使いましょう。
オレの場合だと、15日締めと末締めのカードを2枚使用しています。
なるべく、支払いが後になるように使えば、資金回収までのタイムリミットを伸ばせるので、確実に抑えておくと良いです。
追伸
さてさて、クレジットカードに頼ることの危険性を散々追及する記事内容でした。
書いてあることは、すべて実体験ですので、自分なりに危険だなって思う内容をまとめました。
手持ちの現金が少ないのに、無理してクレジットカードで仕入れるのは個人的には全くオススメできません。
最初はうまくいったとしても、どこかで資金回収のピンチに遭遇すると思います。
特に最初のうちは、手探りでいろんな商品を販売してみると思いますので、赤字を出すことも多いと思います。
長く物販ビジネスを続けていくなら、資金繰りは甘くみないことをオススメいたします。